骨粗しょう症の治療薬が脱毛症治療薬に?

投稿者:ジーニアスプラス

 マンチェスター大学皮膚科学研究センターは、骨粗しょう症の治療薬である「WAY-316606」が、副作用の少ない脱毛症治療薬になる可能性があると発表を行った。研究論文はオープンアクセス誌「PLOS Biology」に掲載された。

 現在、男性型脱毛である「アンドロゲン性脱毛症」に対して効果が認められている薬剤は現在2種類しかなく、どちらの薬も中程度の副作用があり、発毛効果も不確実なものである。研究チームは副作用の少ない脱毛症治療薬の開発を行いたいと考え、免疫抑制剤である「シクロスポリンA(CsA)」に注目した。CsAは移植手術後の拒絶反応の抑制・自己免疫疾患の治療薬として使用されているが、副作用として美容上望ましくない発毛促進が起こる事が知られているという。この現象を分子メカニズムのレベルで解明し、他の薬剤で利用することを考えたのである。

 CsAを服用している患者の毛包検査した結果、発毛にブレーキをかけるタンパク質「SFRP1」の発生をCsAが抑制している事が解明され、これと同じ現象が骨粗しょう症の治療薬である「WAY-316606」で確認されたのである。CsAは免疫力を抑制してしまう為、脱毛症の治療薬としての使用は不可能であるが、「WAY-316606」であれば副作用は少なく済む為、新たな脱毛症の治療薬として今後の研究が期待されている。